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プレスリリース

組織透明化技術「CUBIC」をヒト病理組織診断に応用

次世代の3次元病理診断法の新たな可能性

2017年8月30日

QBiC合成生物学研究グループの上田泰己グループディレクターと洲﨑悦生客員研究員は大阪大学大学院医学系研究科の森井英一教授らと共同で、組織透明化/3次元イメージング技術であるCUBICが病理組織診断に応用できることを実証しました。

これまで、病理組織診断は、薄切した病変組織を染色し作製したスライドガラスを、訓練を積んだ病理診断医が顕微鏡で観察し行ってきました。しかし、この方法では、特定の断面だけを観察することになるため、二次元的な組織しか評価できないといった技術的な限界がありました。

QBiCで開発した組織透明化/3次元イメージング技術である「CUBIC」を用いれば、病理組織検体における正常および病的な組織所見を3次元的かつ明瞭に描出することができます。また、一度「CUBIC」で透明化した臓器片に従来のスライドガラス作製法を適用することが可能であることや、逆に、病院に長期保管されているパラフィンに包埋された状態の検体にCUBICによる透明化/3次元的イメージングを適用することも可能であることを示しました。


  1. S. Nojima, E. A. Susaki, K. Yoshida, H. Takemoto, et al. "CUBIC pathology: three-dimensional imaging for pathological diagnosis.", Scientific Reports 7, Article number: 9269 (2017) doi: 10.1038/s41598-017-09117-0