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安定を捨て、リーダーとなれる場所へ

学生の頃から8年間続いた大学での日々。途中で、「就職して、大学以外の世界を見てみてみたいな」という気持ちがチラついたこともあったそうです。が、何につけても自ら積極的にアプローチするというより、人とのめぐり合いやタイミングを大切にする田中さんは、たまたま空席になった研究室の助教というポストに就きました。

その2年半後、QBiCへの転職を決めたときも、やはり「めぐり合いだった」と田中さんは言いますが、詳しく経緯をお聞きしてみると、それまでにない確かな意思があったようにも聞こえます。

「上田泰己先生が、工学の知識や技術を生かせるユニットを考えておられるとのことで、チャンスだなと思いました。学生時代は理研について特別な印象は持っていませんでしたが、プロの研究者になってからは注目していました。重要な研究論文をたくさん出していましたし、QBiCのように基礎研究でも一つの方針を決め、戦略センターを打ち立てて進めるというやり方は面白いと思っていました」。

入所後、手にしたポジションはユニット・リーダー。その責任者として他の研究室のリーダーと対等な立場で議論に加われることに、大きなやり甲斐を感じているそうです。

「最初の半年は、実験室を作るのに必死でした。業者を探して、図面とにらめっこして…。責任を負った緊張感もありますが、誰かのサポートではなく自分自身の研究室が持てるのですから、そりゃ楽しかったですよ」。