NMR(核磁気共鳴)装置とは

NMR

NMRは、Nuclear(核) Magnetic(磁気) Resonance(共鳴)の頭文字。タンパク質のように多数の原子がつながった物質の、原子のつながり方や立体的な構造を調べる装置です。木川先生が横浜にこだわるのは、この装置が横浜にあるからです。物質の構造を調べる方法は、X線を使ったX線解析や、兵庫県にあるSPring-8に代表される、放射光を使う方法などもありますが、NMRは以下の点で「生きた細胞内でタンパク質の動きを見る」研究に向いています。

  1. 物質の精製や結晶化の必要がない
      →生きた細胞内のタンパク質でも大丈夫
  2. 物質を壊さずに調べられる
      →タンパク質の動き・変化が追跡できる
  3. 原子1個ずつの様子を知ることができる
      →分子を詳しく見ることができる

原子サイズの小さな世界を見ることができるNMRですが、実は、かなり大きな装置(写真の白いドラム缶のようなもの)です。解析には強い磁場を発生させる必要があるため、鉄など磁石と反応するものは装置に影響してしまいます。理化学研究所 横浜キャンパスにあるNMR施設は、木造、小さなクギも非磁性のステンレス製と徹底しています。

(参考)原理を紹介しているページ

>> 本文へ戻る