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概日時計の設計

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概日時計の再構成
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長い間多くの生物で概日時計の分子メカニズムに関して研究が行われ、その分子レベルでの観察によりどの概日時計システムにおいても転写 -翻訳を介したネガティブフィードバックループが中枢振動子であることが示唆されている。哺乳類ではBMAL1やCLOCKが直接的あるいは間接的に自分自身の抑制因子であるPerやCryの転写を抑制している。概日時計の分子メカニズムに関する包括的な研究が行われているにもかかわらず、その基本特性のメカニズムは不明瞭である。特に概日時計の最も基本的な自律振動のメカニズムはその完全な解明を待たれている。
概日時計を有するものの中で最も単純な生き物として知られるシアノバクテリアに関する一連の研究は、真核生物の概日時計における基本的な問題を改めて浮き彫りにするものである。時計遺伝子のネガティブフィードバック制御やmRNA、タンパク質の蓄積量及びタンパク質のリン酸状態の概日振動のような普遍的な分子 過程はシアノバクテリアにも見られるが、時計タンパク質KaiCのリン酸化状態の頑健な概日振動は、たった3つの時計タンパク質をATPとともに試験管内で混 ぜるだけで再構成された(Nakajima M. et al. 2005 Science)。そのようにしてKaiCがシアノバクテリアの概日時計の中核を担っていることが証明され、またシアノバクテリアの概日時計に関する研究は、自律振動や温度補償性という概日時計の基本的な問題への生化学的アプローチの重要性を示した。
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