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大学院生募集しています!!
 

私達の研究グルー プでは主に1分子レベル、多分子レベルの 両方の蛍光イメージングを用いる事で、『in vitroでの分子モーターの動作機構』から、『細胞内での分子モーターの生理的役割』まで幅広く研究を行います。QBiCに於いては、分 子モーター動作機構に分子レベルで変調を加える事で細胞ひいては個体の挙動を操作する事を試みます。
私たちの研究グ ループには大阪大学生命機能研究科から所属可能です。興味をお持ちの方は、komotomo [at mark]  fbs.osaka-u.ac..jpまで、お気軽に連絡下さい。


1, イメージング技術を用いたミオシンの運動機構の解明



全反射 蛍光顕微鏡 Qdot 標識されたミオシンVI1分子の動きのイメージング
 

 ミオシンは
ATP加水分解を行いアクチンフィラメント上で方向性を持った運動を行う事で、筋収縮だけでなく、細胞内の『物質輸送(小胞輸 送)』・『シグナル伝達』・『細胞の形態維持』などの多岐にわたる生体機能に於いて、中心的な働きを果たす分子モータータンパク質です。

  私達の研究グループではミオシンの動作機構をナノメートル・マイクロ秒レベルで解析する事によって、分子モーター ミオシンの動作機構の解明を目指しています。また、in vitro計 測で解明されたミオシンの動作機構を元に、細胞内でどのようにして『物質輸送(小胞輸送)』・『シグナル伝達』・『細胞の形態維持』などの生体機能をミオ シンが果たすのかを明らかにする事を目指しています。


1-1, ミオシンVIのステップ生成機構の解明 [詳細はこちら]

1-2, ATP非依存的なミオシンVIのバックステップ機構の解明 [詳細はこちら]




2, シグナル伝達機構に於けるミオシンによる方向性運動の役割の解明

  多くのシグナル伝達タンパク質が拡散する事で細胞質内もしくは細胞膜上を伝播する一方で、一部のシグナル伝達タンパク質はミオシンと相互作用して、アクチ ンフィラメント上を方向性運動する事で伝播する事が知られています。

 私たちのグループでは、ミオシンを介した方向性運動がどのようにしてシグナル伝達機構に関与し てるのか解明する事を目指しています。


2.1 尾部にRhoGAPドメインを持つミオシンIXbの細胞内での細胞運動中に於ける局在、挙動の解明

2.2 細胞膜上受容体により誘導されるミオシンVI 2量体形成機構の解明


3, 細胞内部に於けるミオシンの局在機構の解明

  細胞内部でミオシンは適当な方向に向かって運動する訳ではなく、特定の方向に向かって運動を行います。また、細胞内部の特定の部位に強い局在を示すミオシ ンも存在します。これらのミオシンはどのようにして、自分が進むべき方向、そして局在するべき場所を見つけているのでしょうか?宅配便ならば、住所を元に して配達されますが、残念ながら細胞内部には住所は無く、細胞内環境は時々刻々とダイナミックに変化をし続けています。

 私たちのグループでは『ミオシンのステップパターン』、『アクチンフィラメントの構造』、『細 胞の形状』をキーワードにして、細胞内部に於けるミオシンの局在機構・運動方向決定機構の解明を目指しています。


4, ミオシンVIのレバーアーム構造の解明

  これまで1分子蛍光イメージングを用いる事によって、ミオシンVIのレバーアーム構造がこれまで一部のグループによって予測されていたよう な柔らかい構造では無く、堅いしっかりとした構造を持つ事を示唆してきました。現在は、電子顕微鏡等を用いて、より直接的にミオシンVIの堅いレバーアー ム構造を明らかにする事を試みています。



『参考文献』

1, S. Nishikawa, I. Arimoto, K. Ikezaki, M. Sugawa, H. Ueno, T. Komori, A.H. Iwane and T. Yanagida Cell 2010

2, K.Ikezaki, T. Komori*, M. Sugawa, Y. Arai, S. Nishikawa, A.H. Iwane and T. Yanagida* Small 2012

 (* Co-corresponding author)

3, 小森智貴、宮永之 寛、上田昌宏「タンパク質1分子蛍光解 析」試料分析講座 5.1 節 (2012)